被相続人が連帯保証人だった場合の相続放棄における注意点とは
被相続人が連帯保証人であった場合、相続人はその連帯保証債務を相続したくないと考えるときは、相続放棄という手段をとることが可能です。
以下では、被相続人が連帯保証人だった場合の相続放棄における注意点を解説いたします。
連帯保証人について
連帯保証人とは、主債務者と連帯して債務を負担する旨の契約を債権者と締結した者をいいます。
連帯保証人は、一般に通常の保証人の責任よりもその責任が加重されています。
具体的には、通常の保証人は、債権者から保証債務の履行を求められた場合、まず主債務者に債務の履行を催告すべきだと主張して、保証債務の履行を拒むことができます。
これを催告の抗弁権と言います。
また、債権者が主債務者に債務の履行を催告した後でも、保証人自身が主債務者に弁済する資力があること及びその執行が容易であることを証明することで、主債務者の財産への執行を義務付け、保証人自身への執行を拒むことができます。
これを検索の抗弁権といいます。
もっとも、連帯保証人にはこれら2つの抗弁権は認められていません。
すなわち、連帯保証人は、債権者からその連帯保証債務全額の履行を求められた場合には、上記の抗弁権を行使してその履行を拒むことができず、連帯保証債務の全額について履行しなければなりません。
被相続人が連帯保証人であった場合に相続放棄で注意すべきこととは
被相続人が連帯保証人であった場合とは、相続人以外の第三者が主債務者であり、その債務を被相続人が連帯保証している場合をいいます。
この場合の第三者は、被相続人の友人や被相続人が会社経営者である場合のその会社であることが多いです。
被相続人が連帯保証人であっても、相続人が相続放棄すれば、連帯保証債務などの被相続人の債務を免れることができます。
しかし、相続放棄をすると、被相続人の不動産や預貯金などの積極財産も相続することができなくなるため、相続放棄をするか否かは慎重に決める必要があります。
注意すべき点としては、被相続人が連帯保証人であることに気づかずに相続を単純承認してしまうことです。
主債務者である第三者がきちんと主債務を弁済し続けている限り、連帯保証人のところに債権者から主債務の履行をするように連絡が来ることはないため、相続放棄の申述をすることなく3か月を経過したり、被相続人の相続財産を処分したりしてしまうことがあります。
このような場合には、相続人は単純承認をしたものとみなされるため、連帯保証債務まで相続してしまい、その後に連帯保証債務の履行を求められたときはその履行を拒むことが原則としてできません。
そのため、被相続人の債務負担状況をきちんと精査した上で、相続を承認するのか、相続放棄をするのかを決める必要があります。
また、相続放棄は3か月の熟慮期間内に家庭裁判所に対して申述する必要があるため、早急に被相続人の相続財産を調査する必要があります。
相続放棄に関するお悩みは司法書士法人匠事務所までご相談ください
このように、被相続人が連帯保証人であった場合には上記のような事項に注意して、慎重に相続放棄をするか否かを決める必要があります。
被相続人が連帯保証人であった場合の相続放棄に関してお悩みの方は、司法書士法人匠事務所までお気軽にご相談ください。
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- 平成11年 琉球大学法文学部 卒業
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- 16年 司法書士匠事務所(現司法書士法人 匠事務所)開設
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経歴
- 昭和52年生 埼玉県出身
- 平成10年 司法書士試験合格
- 12年 慶応大学法学部法律学科 卒業
所属団体
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